映画「半落ち」

日本アカデミー賞作品賞受賞。DVDで観賞。アカデミーで最優秀主演男優賞を受賞した寺尾總の演技はやはりすごい。口数は少ないのに、もう、たたずまいで演技している!さすがだ。
また、新聞記者役の鶴田真由もよかった。彼女の演技を観るのは初めてだったけれど、まっすぐな視線に好感が持てた。この役、実は原作では男性なのだそう。
ストーリーは、最初から最後まで重苦しい。まぁ、それもあつかうテーマが「命」とか「何のために生きる」だとか「人間の尊厳」だったりするのでしょうがない。裁判のシーンが、いちばんの見どころ。出演者全員の演技がここに集約されている。希木樹林は圧巻。
最後、森山直太朗のエンディングテーマでガクン、と興ざめ。あまりにも力が入りすぎた歌声は不自然な感じを受ける。ラストシーンで自然と涙がこぼれたのに、エンディングの歌で森山の声に「感動しろ!もっと泣け!」と仕向けられているようで、好かん。
全体的に、まぁまぁいいけどちょっと足りない感じ。きっと原作(横山秀夫)のほうが面白いんだろうな。